1944年1月30日に、アメリカ軍の3人の墓地登録補助員が、イタリア戦線のアンツィオ(Anzio)の戦いにて、死亡したアメリカ軍兵士の死体を担架に載せた。その後ろには、その他に多数のアメリカ軍兵士の死体が二列に並べられた。
アメリカ軍の墓地登録補助員であるGRS(Global Response Staff)職員が、戦死したアメリカ軍兵士の死体を埋葬する準備をした。死体袋は、医療部商品番号71620の白綿のマットレスカバーが使用された。第二次世界大戦中に、作戦地域にて死体の埋葬は、即時埋葬の緊急性、墓地登録要員の有無、埋葬を実施する時間により分別された。戦場での埋葬は、衛生上の理由や、前線が実質的に静止している地域で士気を保つために不可欠であった。死体を適切に捜索し、所持品を取り除き、識別タグを確認して処分する余裕はなかった。埋葬は夜間も行われ、危険な状況で軽い覆土の浅い墓で埋葬した。埋葬隊やGRS職員が死体を発見して、標準的な埋葬を行える場所を示す目印を付けた。
死体の埋葬は、病院、宿営地、基地、鉄道駅、作戦地域内の施設、その付近で行われた。死亡した戦死者のための一時的な墓地は、主に部隊の近辺に設けられ、部隊が接近できた。鉄道や自動車が利用できれば、臨時墓地の数を最小限に抑えるために、広範囲から埋葬のために死体を輸送できた。死体は、後に敵対行為の停戦後に掘り起こされ、墓地に移され、最終的に適切な時期に処分された。
アンツィオ(Anzio)の戦いは、第二次世界大戦のイタリア戦線で1944年1月22日にアンツィオ上陸からローマを占領した1944年6月5日まで勃発した。ドイツ軍は、数週間にわたり、砲弾の雨を海岸、沼地、港に、丘からあらゆるものに降り注ぎ込んだ。1月25日に、連合軍はアンツィオからアプリリア村に侵攻した。低湿地で水はけの悪い土壌のために、塹壕はすぐに水で埋まり、連合軍には隠れ場所がなかった。アンツィオの戦いは、血みどろの膠着状態に陥った。狭い戦線での直接攻撃は、不利な戦果を繰り返した。アンツィオの戦いで、アメリカ軍は約24,000人近く、イギリス軍は約10,000人近くの死傷者を出した。ドイツ軍の犠牲者は、第14軍全体で約27,500人（戦死者約5,500人、戦傷者約17,500人、捕虜・行方不明者約4,500人）と連合軍の犠牲とほぼ同等であった。さらに連合軍は約37,000人の非戦闘による病死による犠牲者を出した。
