2022年9月3日に、ロシア・モスクワのノボデヴィチー墓地で行われたゴルバチョフ元大統領の葬儀で、娘のイリーナ・ビルガンスカヤは最後の別れを告げた。2022年8月31日に91歳で死亡したミハイル・ゴルバチョフ(Mikhail Gorbachev)元ソ連大統領の告別式が、9月3日にロシア・モスクワのクレムリン近郊の労働組合の家のピラーホール内で挙行された。ゴルバチォフの死体は棺に入れらた。ゴルバチョフは、告別式の後に、モスクワのノボデビチー墓地で妻のライサさんの隣に埋葬される。
元ソ連指導者のミハイル・ゴルバチョフは、第二次世界大戦後の冷戦を終結させて、ペレストロイカ(共産主義経済と経済の再構築)とグラスノスチ(情報の公開)により、ソビエト連邦の崩壊を促した大胆な改革を行った。数千人の弔問客が、敬意を表して列を作った。東ヨーロッパからソ連の核兵器を撤退させた。アフガニスタンからソ連軍を撤退させた。ソ連に複数政党制の選挙を認可して、共産主義を崩壊して民主主義を導入した。1990年にノーベル平和賞を受賞した。
クレムリンの国葬拒否は、ゴルバチョフの遺産に対する不満を反映している。鉄のカーテンを崩壊させて、世界中から崇拝される一方で、ロシア国内ではソビエト崩壊と経済崩壊で貧困に陥れた。ゴルバチョフは、近年のプーチン政権に批判的でウクライナ侵攻に失望した。プーチン大統領は国葬に出席しないように、ゴルバチョフの国葬を宣言しなかった。プーチン大統領は、9月1日にゴルバチョフが亡くなったモスクワの病院の棺に私的にバラの花を供えた。クレムリンによると、大統領は都合で葬儀には出席しない。
弔問客は、開いた棺のゴルバチョフの横を通り、儀仗兵が厳かな音楽を奏でながら、花を手向けた。棺のそばには、ゴルバチョフの娘イリーナさんと孫娘二人が座っていた。シャンデリアと柱が並ぶ大広間は、皇帝時代には貴族の舞踏会が開かれ、ソ連時代には国葬や高貴な会議・大会が開かれた。弔問客は、ゴルバチョフが満面の笑みで立っている大きな写真を横目に、建物内に入った。2時間の予定が3時間半に及んだ。
2007年に行われたソ連崩壊後初の指導者であるボリス・エリツィンの豪華な国葬とは対照的であった。プーチンは、ソ連崩壊を「今世紀最大の地政学的大惨事」と嘆いた。NATOの東方拡大を排除する確約書を西側から得られなかったと繰り返し非難している。2月24日にロシアのプーチンがウクライナに侵攻した。