エルサレム南部のパット交差点でのバス爆破事件(Patt
Junction Bus
bombing)は、2002年6月18日にエルサレムでハマスが実行したエグドバスにおける自爆テロで、19人が死亡、74人以上が負傷した。その死者のうち17人はギロ地区の住民で、通学途中の高校生も乗車していた。
2002年6月18日午前7時50分に、ベツレヘム出身のパレスチナ人自爆テロリストが、エグドライン32Aバスにギロ地区から乗り込んだ。その直後にエルサレムのアラブ地区であるベイト・サファファに停車した時に、バスの正面から爆発した。彼の爆弾ベルトには、死傷者を最大化するために榴散弾用の金属球が含まれていた。
パレスチナのイスラム教組織ハマスが犯行声明を出した。自爆テロの犯人は、ナブルスのアンナジャ国立大学のイスラム法専攻に通う22歳の学生、ムハンマド・アルゴウル・ハッザーと判明した。彼は、釘を詰めた爆薬を体に装着し、ギロからエルサレム中心街に向かう小学生や通勤者が行き交う朝のラッシュアワーにバスに乗り込んだ。爆発によってバスは地面から浮き上がり、屋根が剥がれ落ち、窓から死体が飛び散った。東エルサレム郊外のジャベル・ムカバーの住民2人が、自爆テロ犯を移送した罪で裁かれて、有罪判決を受けた。6月30日に、ナブルスでのコマンドを襲撃した際に、イスラエル軍兵士はハマスの上級爆弾製造者であるムハニド・タヘルを殺害した。イスラエルによれば、彼はこの攻撃やその他の攻撃の背後にいた人物とした。
このバスの黒焦げの残骸は、イスラエルの救援・遺体回収団体ザカ(Zaka)の主導でアメリカに輸送され、ニューヨークで隔年開催されるユダヤ人エキスポ・フェアで展示された。ザカは、ボランティアが爆弾の現場から血や肉の断片をかき集め、ユダヤ教の法律に則って埋葬する活動を行っている。ザカは、自分たちの活動に対する認識を高め、自爆テロの影響を示すことを目的とした。
自爆テロのムハンマド・アルゴウルは「わたしの爆弾の破片が敵を殺し、自らも死ぬことはどんなに素晴らしことでしょう。殺人がしたいからではなく、パレスチナ人が他の民族と同じように生きることを望んでいるからです。次の世代のために死ぬのです。神が望むならば、不正義は消え、勝利はわれわれのものになる。」と3日前に遺書に記載した。イスラム教では、神のために自らを犠牲いる殉教者として戦うことがジハード(聖戦)と称賛している。パレスチナ人は、命を捧げる宗教的な新年から、不正義で追い詰めるイスラエル人を殺害することが正義となる聖戦とした。現場視察したイスラエルのシャロン首相は、パレスチナのテロにあらゆる手段で戦う」と宣告して202年6月18日深夜からパレスチナの西海岸に大規模なパレスチナ侵攻を決行した。