ウクライナのスロビアンスク地方の前線で横たわり既に腐敗して白骨化したロシア兵の遺体を、ウクライナ死体回収部隊が2023年10月24日に検死した。ロシア・ウクライナ戦争の真の犠牲者は死体である。死体を回収するウクライナ部隊は、戦死体を一人ずつ検死した。戦死したロシア軍兵士の死体は冷凍トラックに積み込んだ。
ドンバス戦争にてスロビアンスク包囲戦が、2014年4月12日から2014年7月5日に勃発した。スロビアンスクがロシアからの支援を受けた分離主義派が、4月7日にドネツク人民共和国がウクライナからの独立を宣言した。ウクライナ軍とドネツク人民共和国軍の3ヶ月にわたる激しい戦闘の後に、親ロシア派の反乱軍がドネツクに退却して、ウクライナ軍はスロビアンスクを7月5日に奪還した。スロビアンスクはドネツク州の都市であり、ドンバス地域の北部であ。第二次世界大戦時には、ドイツ軍兵士やソ連軍兵士の死体で埋め尽くされた。
ロシア・ウクライナ戦争が2022年2月24日に始まって以来、5万人以上のロシア軍人がウクライナで戦死したと、BBCは独自の調査に基づいて2024年4月17日に報告した。これはロシア軍が公式に認めた戦死者数の8倍以上である。 BBCはロシア軍の兵士の配置方法をミンサー戦術と呼称した。
ロシア・ウクライナ戦争の開戦以来に、ロシアの独立系ニュースメディアの『メディアゾナ』と『BBCロシア』は、ボランティアとともに戦死者数を調査した。そのために、公式報告書、ソーシャルメディア、新聞報道などの公的資料を解析した。ロシアの墓地にある墓石を調べることで、多くの軍人の名前を確認できた。調査団は、すべての死体の出所を突き止めることができないために、絶対的な戦死者数はさらに多くなる。ウクライナ東部のロシア軍の占領地域であるドネツクとルハンスクで戦死した軍人も含まれていない。
ロシア軍もウクライナ軍も、戦争の犠牲者の規模はほとんど明らかにしない。ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は2024年2月に、31,000人のウクライナ軍人が死亡したと発表した。これまでの分析では、ウクライナ軍はもっと多くの犠牲者が出たとされた。