イスラエル・パレスチナ戦争で、死体が散乱するガザのアル・シファ(al-Shifa)病院内にて、パレスチナ人医師は恐怖と混乱の中で、2023年10月11日にイスラエル軍の空爆で死傷した子供を治療した。
イスラエル軍の空襲で包囲されたガザ地区では、負傷したパレスチナ人が懸命に救命するも、死体袋の数は増え続けた。荒廃して廊下は薄暗いガザのダール・アル・シファ病院に、新たな死傷者が到着した。病院の緊急治療室の各所にうめき声や痛みの叫び声が響き、死傷者はフロアで治療を医療関係者から受けた。塩素の強烈な臭いが漂う中で、病院の医療関係者はモップを持って、死傷者の血で汚れたタイルを掃除した。
イスラエル軍により包囲されたガザ地区への空爆が始まってから約9日目の10月15日でも、壊滅的な被害の大きさに、病院は戦争で疲弊して限界に達した。イスラエル軍の空爆による破片が、自宅から逃げ出した21歳の弟サレムの腕を直撃し、腱を切断した。病院の手術室は、何百件もの重篤な手術であふれた。
パレスチナのハマスの戦闘員が、イスラエル軍の要塞化された分離障壁を突破して、約1,300人以上のイスラエル人を殺害して1週間以上が経過した。イスラエル軍は約10年ぶりにガザへの地上侵攻に備えた。ガザへの地上攻撃は、パレスチナ人の死者数を増加させる。包囲された飛び地で、過去4回の戦争の犠牲者をすでに上回った。ガザの病院への物資供給が十分でなく、イスラエル軍が200万人以上の人口を抱えるガザの飛び地への食料、燃料、水、電気の供給を断つ決定を下した。民間人の死者数が急増する可能性がある。
権利擁護団体は、2007年以来のガザ地区の包囲に加えて、ガザを完全に包囲する決定は集団的懲罰であり、国際法違反であると警告した。シファ病院の職員は、予備の発電機に残っているディーゼルを必死で節約して、必要のない診療科はすべて消灯した。シファ病院は、負傷者に十分なベッドがなく、医療関係者は現場で死傷者を治療した。トイレの水など基本的な生活必需品もない。手術室や医療関係者は、過酷な状況で24時間働いて、数時間しか眠れなかった。10月12日に、イスラエル軍はガザ北部に住む約110万人のパレスチナ人に南へ避難するように命じて、帰還の保証は与えなかった。それ後に避難したパレスチナ人の多くは、イスラエル軍の砲撃から解放されなかった。イスラエル軍の戦闘機が車列や脱出路の道路を攻撃した。
激しい空爆の中で10月12日に、アル・ドゥラ小児病院には、打撲や包帯を負った乳幼児、顔に血がにじんだ幼児など、新たな患者が押し寄せた。イスラエル軍の空爆により、10月12日朝、ジャバリアの同じ家族の44人を含む少なくとも約250人が死亡した。ガザ保健省は、ドゥラー病院は砲撃を免れず、白リン弾の標的にされた。その後、避難を余儀なくされた。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、イスラエル軍はガザ地区で違法に白リン弾を使用したと述べた。
イスラエル軍がパレスチナ人に対してガザ北部からの退去命令を出して以来に、いくつかの病院は、救命救急の患者を追い出せないと報告した。アル・アウダ病院は10月14日に、死傷したパレスチナ人を追い返したり、ドアを閉めれないと述べた。病棟は死傷者で満杯となった。イスラエル軍に圧力をかけるように、世界中の人道支援パートナーに訴えた。
ガザ保健省は、イスラエル軍が意図的に救急車を爆撃して、戦争犯罪の国際規則に違反していると非難した。パレスチナ赤新月社(Palestine Red Crescent Society)は、10月15日の約30分間に4人の救急隊員が死亡したと非難した。シファ病院は、数日前に死体安置所が収容可能人数に達し、溢れ始めた。死体はウォークインクーラーの外に3段重ねにして、駐車場には何十体も並べて置いた。
Warning: Palestinian medics tend to children wounded by Israeli air strikes at al-Shifa hospital in Gaza City on 11 October 2023 (AFP)