ロシア・ウクライナ戦争が勃発して、2022年3月下旬に、ロシア軍の占領下のキエフ州ブチャ地域のモティジーン村で、スチェンコ一家の両親と弟は、ロシア軍兵士に拷問されて虐殺された。3月23日朝に、首都キーウに住む姉オレナ・スチェンコは、弟から人生で最も恐ろしい電話を受けた。ロシア軍兵士が、スチェンコ一家に来て、先ず車を略奪して、その後に両親を強制連行して拉致した。姉オレナは、弟オレクサンドルに直ちにモティジーン村の脱出を依頼したが拒否された。数時間後に戻ったロシア軍兵士に、弟も強制連行された。2006年から村長であった母オルナ、食料品経営の父イオル、25歳の弟オレクサンドルは、モティジーン村に在留して村民らを救護していた。ロシア軍に拉致された後は一家の連絡は不通となった。
ウクライナ軍が、キエフ州を解放した4月2日に、モティジーン周辺の森林の荒れ果てた地面の集団墓地の中から、4人の死体が発掘された。そのうち3人はスチェンコ一家の両親と弟で、両手を後ろに縛られ、身体に拷問の跡があり、射殺された死体が発見された。母親は頭を何度も射撃された。父と弟は厳しい拷問の跡があった。父親の顔は激しく損傷した。弟の首には数カ所の刺傷があった。父と弟は、両手を後ろに縛られて、何度も射撃された。
Warning: Dead bodies of the Sukhenko family are seen in a mass grave in Motyzhyn village, Bucha district of Kyiv Oblast, on April 4, 2022. (AFP/ Getty Images)
2月24日にロシア軍がウクライナを攻撃した初日に、スチェンコー家族は小さな村の方が安全だと思って、モティデーン村に戻った。モティジーン村の人口約1,000人は、ロシア・ウクライナ戦争が勃発すると人口は約4倍にも増えた。その3日後の2月27日に、ロシア軍の戦車が村に侵攻した。3月4日に、父親は姉オレナを車で、ウクライナ軍の支配地域に避難させて立ち去った。
2022年4月7日に、キエフ州の村モティジーンで行われたスチェンコ一家の葬儀で、人々は棺に花を供えた。葬儀には最大で約400人が参列した。ウクライナ当局は、ロシア軍がキエフ州を撤退する前に、甚大な戦争犯罪を犯した。人々の死体が野外に転がって、地下室などでも多くの死体が発見され、多くの開いたままの墓に多数の死体が横たわっていた。